数学界の超難問のABC予想が証明されましたよ

こんにちは。コーチの原です。

ガーデンにお越しいただいたことのある方ならご存知の方が多いと思いますが、私は数学をよくやっています。大学も数学科でした。


少し前になってはしまいましたが2020年の3月末に数学界の超難問と言われていたABC予想が証明された(正確にはABC予想を証明したとされる論文がアクセプトされた)とのニュースが話題になりました。


本日の記事ではABC予想とはどんなものなんだろうといったことを記事にしてみたいと思います。


まずはABC予想のはじまりについてですが、1985年にスイス人とフランス人の2名の数学者によって発表された数学(正確には数学の中でも数論という分野)の問題でした。

少し大雑把な言い方をすれば数学の中で言われる予想とは直感的に"解けたらすごくて"「多分正しいだろう」と思われていたり、考えられていたりする数学の定理(正確には命題)のことです。しかし、これをきちんと証明(正しいと論理的に説明すること)することは非常に難解とされており、今まで最強の数学者軍団が挑むもなかなか打破できずにいました。なんなら、最強の数学者軍団ですらとっかかりすら掴めずにいたというほうが正しいくらいの戦況だったようです。


でも、なぜこの問題にみんなが興味を持っているかというと、この問題が解けたときの波及効果がすごいからなんです。


・難問として名高いフェルマーの最終定理がすぐに従う※

・非常に高度な数学の応用版モーデル予想や双曲代数曲線に関するヴォイタ予想などが正しいことがわかる


(※フェルマーの最終定理を証明するのに必要なのはABC予想の条件をさらに狭めた「強いABC予想」といわれるもので、こちらはまだ証明されていません)


ちょっと普通に生活してても聞きなじみがある話ではないものの、数学界(数論幾何や代数幾何界)で非常に難問でかつ高度で豊富な知識や技術が必要な予想のいくつもがABC予想によって自動的に解かれてしまうというところに大きな興味があるのだと思います。

生活してても聞きなじみがないといったものの、モーデル予想に登場する楕円曲線なんかはSuicaなどに使われる非接触のICチップ技術の暗号理論など生活の身近なところに応用されています。


そんな中、京都大学の望月教授が2012年にABC予想を証明できる内容を含む理論を構築し、500ページに亘る論文にまとめて発表しました。実は発表してから広く世間にこの論文は正しいですねと認められるまで8年もかかりました。(通常数学や統計の世界だと1年程度で認められることが多いです。)


ここで、世間が正しいと論文を認めるとはどういうことかの説明ですが、論文というのは研究して成果を出した人がまとめてみんなに見えるような形で発表をします。発表の仕方には複数ありますが、「雑誌」と呼ばれる正しいとされる論文がいくつもまとまって発行されるような(今となってはオンラインなので本の形で発行されることがないものも多いが)ものへ投稿して掲載する形式をとることが多いです。

この時に「雑誌」に載せる価値があるかや、本当に正しいのかを総合的に判断して載せる!(アクセプトされるという)と決まると(載せるか決めるのは雑誌の編集を担当している編集者(数学者)で、正しいかを調査(査読という)するのは編集者に頼まれた数学者です。)、この時点で「この論文は世間的に正しいと認められた」となります。


少し脱線しましたが、望月教授の論文がアクセプトされるまで8年かかったということがすごいですね。それだけ難しい内容の論文だったということが伺い知れます。

さらにすごいのは望月教授がABC予想を解くに際して、数学の全く新し分野を作ってしまったということなんです。有名な数学者のひとりがこの業績はノーベル賞複数個分にも匹敵するレベルだとも言っていました。残念ながらノーベル賞に数学賞はありません。

通常ならば、今まである数学の分野を応用したり見方を変えたりしながら新しい証明をしたりするのですが、望月教授は今までの数学を参考にしつつも全く新し数学の世界(宇宙)を作ってしまいました。今までの数学の世界(ひとつめの宇宙)と今回考え出した新しい数学の世界(新しい宇宙)を行き来するような理論を作ったため、その理論を「宇宙際タイヒミューラー理論」と名付けたようです。国と国との間の関係のことを「国際関係」と「際」という感じを使って表すように、数学界の宇宙と宇宙との間の理論だから「宇宙際」という節頭句を使ったようです。宇宙とか言われると少しミーハーな気分もしていましたが、この説明を聞くと私はなるほどなと思いました。


ここまで読んでくださった方はじゃあABC予想ってどんな予想なんだよ!とか、どうやって証明したんだよ!と思っているかもしれません。まず、世界最強の数学者軍団が読み解くのに8年もかかる論文を私が短時間で理解できるわけもないので、どうやって証明したかの説明はしようがありません。ただ、私自身も非常に興味があるので、望月教授自身が書いているサーベイ(望月教授のHPにあります。http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/papers-japanese.html)から読んでいるところです。いつか理解出来たらうれしいな笑


次にABC予想はどんな予想?という話についてですが、とりあえず予想だけは載せておきます。


パット見て理解できる人は数学に慣れている人だと思います。但し、見た目に反してこちらの主張の内容は非常にシンプルです。これを理解するには素因数の知識と累乗の知識さえあれば他は特にいらないので順を追っていけば中学生から理解できるし、何なら小学生でもちょっと頑張ればわかるはずです。

しかし、ここのブログでは数式が書くのがめんどくさいのと、以下にとても分かりやすい動画があるので興味のある人はぜひこちらを見てみてください。互いにアプローチの方向性が違うので両方見てみると面白いです。



1、Quizknock会議中【サブチャンネル】より https://youtu.be/lNF0Zoi7j4c


2、予備校のノリで学ぶ「大学数学・物理」 より https://www.youtube.com/watch?v=PIUCfN08p8M


随分と長い記事になってしまいましたが、少しは数学の研究の先端の話に触れられることができましたか?

数学の研究は、医学や工学などとは違い、非常にイメージしづらいし、「もはや研究することあるの?」という疑問すらわく方も多いと思いますが、日々研究は進んでいます。

気軽にできる実験や研究もあるので、小中学生のみんなの夏休みの自由研究に算数や数学を取り上げるのもおすすめですよ!


また、機会を見て数学の記事を作りますね!


abc予想の主張に関する質問やその他にも数学の話題があったら私と話しましょう。


数学好きなサーブル・フルーレコーチ

原 嘉宣











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